作成日:2023/06/19
児童手当と扶養控除
6月13日に閣議決定された「こども未来戦略方針」には、児童手当の拡充があります。
○こども未来戦略方針
その中で注目を集めているのは、所得制限の撤廃と、高校生までの支給期間の延長です。
そしてこれと対をなすように話題となっているのが、扶養控除の見直しです。
この見直しは、高校生までの支給期間の延長の脚注として、以下の一文が記載されていたことで公になりました。
その際、中学生までの取扱いとのバランス等を踏まえ、高校生の扶養控除との関係をどう考えるか整理する
これは、民主党政権下で創設された、こども手当(現在の児童手当)に伴い、「所得控除から手当へ」とうたわれ、年少扶養親族(0〜15歳)に対する扶養控除が平成22年度税制改正によって廃止されたことを思い起こさせます。また、この年の税制改正で、高校の実質無償化に伴い、16〜18歳までの特定扶養控除の上乗せ部分(所得税25万円、住民税12万円)が廃止されています。
○扶養控除の見直しについて(22年度改正)
このような廃止によって、一定の子育て世帯が手当よりも税負担が増え、正味の手取りがマイナスとなったり、無償化の対象から外れているため、廃止分の税負担が増えただけ、というケースもあります。
高所得者層が中心ですが、所得制限が設けられた後もその点の扶養控除の見直しは全くないまま、現在に至ります。
次の扶養控除の見直しのターゲットは、高校生を扶養する子育て世帯となります。
「こども未来戦略方針」によれば、2024年度中の実施が検討されているようで、一部報道では、2024年10月(支給開始は2025年2月)からとされるよう準備が進むようです。
扶養控除の見直しがされるのであれば、最短は令和6年度税制改正となります。
過去と同様に廃止となるのか、それとも減額となるのか、成り行きを注視しましょう。