2022年度に入り、政府税制調査会は経済社会の構造変化等について、有識者の方々を招いて初めに講義をしてもらい、その後質疑応答を経て理解を深めていく作業(ヒアリング)を繰り返し行っています。
これまでの間行われてきたテーマは、以下のとおりです。
- デジタル化が社会に与える影響
- 企業の成長や起業
- 働き方の変化
- ライフスタイル・価値観
- 税に関する総論的議論
「税に関する総論的議論」は、第12回の後半にあったテーマです。
それまでのテーマとは一線を画すような感じもしますが、そもそも岸田内閣総理大臣からの諮問によって求められているものは、「持続的かつ包摂的な経済成長の実現と財政健全化の達成を両立させるため、公平かつ働き方等に中立的で、新たな時代の動きに適切に対応した、あるべき税制の具体化に向けた包括的な審議」であり、ここでのキーワードである「公平」と租税との絡みについて有識者の方を招いてヒアリングが行われていました。
その他のテーマに関しては、経済や社会がどう変化しているのか、その間の人々の価値観や働き方もどう変化しているのか、これらの一端を知ることができます。
実際に私たちが法律を作るわけではありませんが、納税者へ伝えるためには経済社会の構造変化等について、まず自らが理解をする必要があるでしょう。理解をするためのツールとして、こういった資料を活用されるのも一つかと思われます。
会議当日から数日間はインターネット配信の視聴が可能ですが、期間終了後は文字起こしされた議事録で発言内容を確認することができます。
当日利用された資料を見るだけでは理解しづらい部分もあると思いますので、議事録等とあわせて確認されると良いと思います。
なお、完全に蛇足ですが、「企業の成長や起業」での有識者の1人であった孫氏のDAO(ダオ)やWeb3の話題、シンガポールにある自身の会社からのベンチャー投資に関する話はとても興味深かったです。