作成日:2017/08/10
圧縮記帳の適用がある場合の減価償却資産の取得価額
圧縮記帳の適用をし、減価償却資産の取得価額を減額した場合の、次の規定についてどうなるか、つまり適用前か適用後かについてご相談がありました。
- 10万円未満の少額の減価償却資産の取得価額の損金算入
- 20万円未満の一括償却資産の損金算入
- 30万円未満の中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例
たとえば上記1.については、法令133に「取得価額(第五十四条第一項各号(減価償却資産の取得価額)の規定により計算した価額をいう。次条第一項において同じ。)」と規定されています。
そして法令54条Bには、法人税法上の圧縮記帳の適用による損金算入分を控除した金額を取得価額とみなす、と規定がされていますので、国庫補助金や保険金などに係る法人税法上の圧縮記帳の適用については、控除後の取得価額で金額判定をすることになります。
また、上記法令133の『次条第一項』とは、上記2.の一括償却資産の損金算入の適用に関する規定であるため、一括償却資産の損金算入も同様の扱いとなります。
そして、収用や買換え等の租税特別措置法上の圧縮記帳の適用については、各条文上に規定されており、例えば収用であれば租税特別措置法第64条第7項、買換えであれば同法第65条の7第8項に“損金算入分は取得価額に算入しない”規定がありますので、控除後の取得価額で金額判定をすることになります。
一方、上記3.は租税特別措置法第67条の5の規定です。この規定に租税特別措置法上の圧縮記帳との重複適用ができないことが括弧書きで示されていますので、収用や買換え等の租税特別措置法上の圧縮記帳の適用による帳簿価額の減額がある場合には、金額云々の問題ではなくこの特例を適用すること自体ができません。
なお、上記について以下に表で示しました。ご参考ください。