作成日:2015/03/31
26年7月〜9月分の裁決事例が公表
平成26年7月〜9月分の裁決事例が3月26日に公表されました。確認しましょう。
○公表裁決事例(平成26年7月〜9月分http://www.kfs.go.jp/service/JP/idx/96.html
次の10の事例が公表されています。
- 国税通則法関係
- 無申告加算税 更正又は決定の予知
- 異議決定における理由の差替え
- 更正通知書の理由付記
- 所得税法関係
- 所得の帰属 個人法人間における所得の帰属
- 雑所得 収入すべき時期 貸付金利息
- 同業者率を用いた推計の合理性(請求人の特殊事情)
- 法人税法関係
- 使途不明金 手数料処理していたもの
- 相続税法関係
- 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例
- 国税徴収法関係
- 無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務 受けた利益額の算定
- 財産の換価等 公売広告
上記のうち、今回は『雑所得 収入すべき時期 貸付金利息』を取り上げます。
この事例は、親子間の金銭貸借について、その利息を収入とすべき時期はいつか、という内容です。
このような時系列で、かつ、貸した側は、この利息について記帳等の経理処理を一切行っていません。この事例における、貸した側が利息を収入とすべき時期はいつになるのでしょうか。
審判所は、次のように判断しています。
- この利息の帰属は、雑所得に該当する
- 事業所得である貸付金利息の収入すべき時期に係る取扱いを定めた通達(所基通36−8(7))に準じて判断する
- 請求人は、本件利息について記帳等の経理処理を一切しておらず、請求人が継続して本件利息を収入金額に計上しているとは認められないから、本件通達のただし書の適用はなく、本件利息の収入すべき時期は、その年中の期間に対応する部分の利息については、その年の末日(貸付期間の終了する年にあっては、当該期間の終了する日)となる
(参考)所基通36−8(7)(事業所得の総収入金額の収入すべき時期)
事業所得の総収入金額の収入すべき時期は、別段の定めがある場合を除き、次の収入金額については、それぞれ次に掲げる日によるものとする。(昭49直所2−23改正)
(1)〜(6)略
(7)金銭の貸付けによる利息又は手形の割引料でその年に対応するものに係る収入金額については、その年の末日(貸付期間の終了する年にあっては、当該期間の終了する日)。ただし、その者が継続して、次に掲げる区分に応じ、それぞれ次に掲げる日により収入金額に計上している場合には、それぞれ次に掲げる日
イ 利息を天引きして貸し付けたものに係る利息 その契約により定められている貸付元本の返済日
ロ その他の利息 その貸付けに係る契約の内容に応じ、36−5の(1)に掲げる日
ハ 手形の割引料 その手形の満期日(当該満期日前に当該手形を譲渡した場合には、当該譲渡の日)
結論としては、
「したがって、本件利息に係る収入金額のうち、利息に関する合意がなされた平成7年から平成22年までの各年中の期間に対応する部分の金額に係る収入すべき時期は、それぞれの年の末日であり、貸付期間の終了した平成23年の期間に対応する部分の金額に係る収入すべき時期は、貸付期間の終了した平成23年3月18日である」となりました。
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