作成日:2014/04/11
在宅医療点数、同一建物の減額をせずに済む方法
訪問診療料等、在宅医療に関する同一建物の複数訪問診療について大幅な減点改定については、先日お伝えしたとおりです。
この点について、もう少し詳しく確認してみましょう。
○厚労省HP「平成26年度診療報酬改定説明(医科・本体)その3 [1,790KB] 」より
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000039894.pdf
同一建物の複数患者訪問に関する診療報酬について、全てのケースにおいて減点されるわけではなく、場合によっては減点がないケースもあります。
たとえば、訪問診療料の算定要件について
- 同一建物の複数訪問であっても、下記の患者については、患者数としてカウントを行わない。
- 往診を実施した患者
- 末期の悪性腫瘍の患者と診断された後、訪問診療を行い始めた日から60日以内の間
- 死亡日からさかのぼって30日以内の患者
- 特定施設、グループホーム等においては、同一建物で同一日に算定する患者のカウントについて、医療機関単位でなく医師単位(ただし、医師3人までに限る。)とする。
などと、一部複数訪問診療が認められるケースもあるわけです。
また、同一建物における在宅時医学総合管理料(在総管) 、特定施設入居時等医学総合管理料(特医総管)の算定について、厚労省の資料によれば次のように述べています。
そして、グループホームの入居者を例に、複数訪問診療を行っていても結果的には減額をせずに済む1ヶ月のスケジュール表が厚労省の資料では掲載されています。
こちらは、減額のパターンです。
減額をせずに済む上のスケジュール表に関しては、先の要件のとおり患者Bについて「末期の悪性腫瘍の患者と診断された後、訪問診療を行い始めた日から60日以内の間」であることに注意します。あるいは他の患者も含めて「死亡日からさかのぼって30日以内の患者」になるか、あるいは「往診を実施した患者」になるケースでなければ、カウント対象外とはなりません。
つまり、計画的にスケジュールを組めるのは患者Bについて「訪問診療を行い始めた日から60日以内の間」のケースであって、それ以外の要件はなかなか計画通りにはいかないことであるためスケジュール管理はこれまで以上に難しいといえるかもしれません。
また、特定施設、グループホーム等同一建物の同一日に算定する患者のカウントは、医師単位でのカウントとなるため、同じ医療機関で複数の医師(ただし3人まで)が同時に訪問し医師1人につき1名診る、という方法もありえます。この場合にも、訪問医師の給与等の人件費がかさむことは容易に想像できるため、どう利益を確保するのか、いろいろな角度からシミュレーションをする必要がありそうです。
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