作成日:2014/04/04
あなたは辛口派、それとも甘口派?
国税庁から全国市販酒類調査の平成24年度分が公表されていますので、確認してみましょう。
○全国市販酒類調査の結果について
http://www.nta.go.jp/shiraberu/senmonjoho/sake/shiori-gaikyo/seibun/06.htm
国税庁では“酒税”という税金だけでなく、酒類の品質と安全性の確保及び酒類業の健全な発達に資するための調査・指導等も行っています。
この調査対象となるのは、4年でおおむね全ての製造者の全ての品目の種類が選定されるよう計画的に行っているようです。24年度では、課税移出数量が全国又は各国税局管内単位若しくは都道府県単位で上位にある製造者が選定されているようです。
さて、調査項目としては、安全性、品質、表示事項、成分等に分けて報告がなされています。
安全性とは、食品衛生法で含有量に規制のあるメチルアルコール、並びに食品添加物として使用基準のある亜硫酸塩(総亜硫酸)及びソルビン酸・ソルビン酸カリウムの含有量、そして規制はないものの近年国際的に議論されているカルバミン酸エチルの含有量について調査されています。いずれも規制値下あるいは参考値よりも低い値となっていたようです。
ただし、適正な表示がないものが数点見受けられ、これに関しては指導がなされているようです。
品質とは、食品衛生面及び製造技術面での問題の有無について調査されています。これらについて問題があるものに関しては、製造者に対して国税局の鑑定官による技術指導等が行われているようです。
表示事項とは、「酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律」(昭和28年法律第7号)により、決められている表示事項が守られているかどうかについて調査されています。適正な表示がなされていないものについては、指導等が行われているようです。
成分等とは、酒類に応じて、アルコール分、エキス分等の成分を調査されています。
たとえば、清酒では、日本酒度や総酸が調査されており、これは甘口/辛口、淡麗/濃醇の指標として使用されています。全国平均、各都道府県別のこれらの指標がグラフ化されて公表されていますので、3年度分のグラフをまとめてみました。
各年度で調査対象の製造者や品目が違うため一概には言えませんが、各都道府県での甘口/辛口、淡麗/濃醇の傾向が若干みられるものもあるようです。
また、日本酒度(全国平均値)の経年変化は次のとおりです。
日本酒度とは清酒の比重を換算した値をいい、日本酒度の低い清酒は一般的にエキス分(ほとんどが糖分です。)が多い甘口な酒となり、高い清酒は一般的に辛口な酒です。左軸の数値が日本酒度です。グラフを見る限り、近年では純米酒、本醸造酒において辛口傾向になっていることがうかがえます。特に本醸造酒は平成18年に吟醸酒よりも辛口となり、辛口傾向がその後もすすんでいるようです。
お花見日和で、お酒を召し上がる機会が増えています。好みのお酒を選ぶ参考にされるとよいでしょう。なお、くれぐれも飲みすぎには注意したいものです。