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作成日:2014/03/10
同じ年に父と母の扶養親族になれるのか



 例えば、父Aと母Bが共働きで、高校生の子C(所得0円)が1人いたとしましょう。

 このような場合、子Cを控除対象扶養親族として扶養控除できるのは、父Aか母Bのいずれか1人のみです。

  父A+子C  あるいは  母B+子C

 仮に子Cを父Aの控除対象扶養親族として扶養控除したのであれば、同じ年の税金の計算上、母Bに子Cを控除対象扶養親族とした扶養控除をすることはできない、ということです。

 このように、控除対象扶養親族として扶養控除できるのは、基本的に年に申告者1人にしかつけることはできません(どちらかにするかは、年単位で任意に選択できます。)。

 ところが、年の途中で父Aが死亡した場合には、状況が変わります。

 仮に上記の例で父Aが年の途中で死亡した場合に、父Aの年末調整(準確定申告)において子Cを控除対象扶養親族として扶養控除したとしても、同じ年の税金の計算上、母Bに子Cを控除対象扶養親族として扶養控除をすることができます(所基通83〜84-1)。

 このような規定は、扶養控除だけでなく障害者控除においても同様です(所基通79-2)。

 年の途中で死亡した場合に関しては、扶養親族等に該当するかの判定時期や合計所得金額の見積もりなども所基通で示されていますので、あわせて確認しておきましょう(所基通85-1)。

 なお、年の途中で父Aが死亡したケースにおいてその年の母Bの税金の計算上、仮に父Aの所得金額が38万円未満であれば、父Aを控除対象配偶者として配偶者控除の適用が受けられ、仮に父Aの所得金額が38万円超76万円未満で、かつ母Bの合計所得金額が1,000万円未満であれば母Bは配偶者特別控除が受けられます。その上、母Bは寡婦要件に該当すると、寡婦控除として27万円(特定の寡婦に該当すると35万円)の控除を受けることができます。

 年の途中で親族が亡くなった場合には、いろいろと考慮すべき点があります。

 税金の計算を誤らないように(不利にならないように)、注意しましょう。


参考通達:
(年の中途で死亡した居住者等の障害者である扶養親族等とされた者に係る障害者控除)

79−2 年の中途において死亡し又は出国をした居住者の障害者である控除対象配偶者又は扶養親族について、その居住者が障害者控除の適用を受けた場合であっても、その後その年中において相続人等他の居住者の控除対象配偶者又は扶養親族にも該当するときは、当該他の居住者が自己の障害者である控除対象配偶者又は扶養親族として障害者控除の適用を受けることができることに留意する。(平22課個2−16、課法9−1、課審4−30追加)

(年の中途で死亡した居住者等の控除対象扶養親族等とされた者に係る扶養控除等)

83〜84−1 年の中途において死亡し又は出国をした居住者の控除対象配偶者若しくは法第83条の2第1項に規定する生計を一にする配偶者(控除対象配偶者を除く。以下この項において「配偶者」という。)又は控除対象扶養親族として控除された者であっても、その後その年中において相続人等他の居住者の控除対象配偶者若しくは配偶者又は控除対象扶養親族にも該当する者については、当該他の居住者が自己の控除対象配偶者若しくは配偶者又は控除対象扶養親族として控除することができることに留意する。(昭63直所3−3、直法6−2、直資3−2、平22課個2−16、課法9−1、課審4−30改正)

(年の中途において死亡した者等の親族等が扶養親族等に該当するかどうかの判定)

85−1 年の中途において死亡し又は出国をした居住者の配偶者その他の親族(法第2条第1項第34号((定義))に規定する児童及び老人を含む。以下この項において「親族等」という。)がその居住者の控除対象配偶者若しくは法第83条の2第1項に規定する生計を一にする配偶者(控除対象配偶者を除く。以下この項において「配偶者」という。)又は扶養親族に該当するかどうかの判定に当たっては、次によるものとする。(昭60直所3−21、直資3−5、昭63直所3−3、直法6−2、直資3−2、平元直所3−14、直法6−9、直資3−8、平22課個2−16、課法9−1、課審4−30改正)

(1) 当該親族等がその居住者と生計を一にしていたかどうか、及び親族関係(同号に規定する児童及び老人にあっては、同号に規定する関係)にあったかどうかは、その死亡又は出国の時(その年1月1日から当該時までに死亡した親族等については、当該親族等の死亡の時)の現況により判定する。

(2) 当該親族等が控除対象配偶者若しくは配偶者又は扶養親族に該当するかどうかは、その死亡又は出国の時の現況により見積もったその年1月1日から12月31日までの当該親族等の合計所得金額により判定する。
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