作成日:2014/02/27
施設向けの訪問診療、かなりの減収に
平成24年度診療報酬改定で増額された「特定施設等入所者への在宅患者訪問診療料」について、平成26年度診療報酬改定ではほぼ元へ戻るような減点が予定されています。さらに、特定施設等以外の同一建物居住者の場合は、ほぼ半分となる予定です。
在宅患者訪問診療料(1日につき) | 24年度改定以前 | 24年度改定後 | 26年度改定 | |
同一建物居住者以外の場合 | 830点 | 830点 | 833点 | |
同一建物居住者の場合 | 200点 | − | − | |
イ 特定施設等入居者の場合 | − | 400点 | 203点 | |
ロ イ以外の場合 | − | 200点 | 103点 |
上記以外でも、在宅医療に関する診療報酬について、特定施設等入居者の場合の診療報酬が大幅に減点される予定です。例えば、特定施設入居時等医学総合管理料です。
例.在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院以外の場合が算定する
特定施設入居時等医学総合管理料(月1回)
特定施設入居時等医学総合管理料(月1回) | 26年度改定前 | 26年度改定後 | |
保険薬局において調剤を受けるために 処方せんを交付する場合 |
1,500点 | − | |
(1)同一建物居住者以外の場合 | − | 2,250点 | |
(2)同一建物居住者の場合 | − | 540点 | |
処方せんを交付しない場合 | 1,800点 | − | |
(1)同一建物居住者以外の場合 | − | 2,550点 | |
(2)同一建物居住者の場合 | − | 840点 |
上記の場合には、同一建物居住者以外であれば大幅に増える一方で、同一建物居住者の場合には大幅に減ります。しかし、在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院の場合には、同一建物居住者以外の場合は据え置きで、同一建物居住者の場合は大幅に減ります。
特定施設入居時等医学総合管理料(月1回) | 平成26年度改定前 | 平成26年度改定後 | |
1.在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院であって別に厚生労働大臣が定めるものの場合 | |||
イ 病床を有する場合 | |||
(1)保険薬局において調剤を受けるために処方せんを交付する場合 |
3,600点
|
||
@ 同一建物居住者以外の場合 |
3,600点
|
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A 同一建物居住者の場合 |
870点
|
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(2)処方せんを交付しない場合 |
3,900点
|
||
@ 同一建物居住者以外の場合 |
3,900点
|
||
A 同一建物居住者の場合 |
1,170点
|
||
ロ 病床を有しない場合 | |||
(1)保険薬局において調剤を受けるために処方せんを交付する場合 |
3,300点
|
||
@ 同一建物居住者以外の場合 |
3,300点
|
||
A 同一建物居住者の場合 |
800点
|
||
(2)処方せんを交付しない場合 |
3,600点
|
||
@ 同一建物居住者以外の場合 |
3,600点
|
||
A 同一建物居住者の場合 |
1,100点
|
||
2.在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院(上記1.以外)の場合 | |||
イ 保険薬局において調剤を受けるために処方せんを交付する場合 |
3,000点
|
||
(1)同一建物居住者以外の場合 |
3,000点
|
||
(2)同一建物居住者の場合 |
720点
|
||
ロ 処方せんを交付しない場合 |
3,300点
|
||
(1)同一建物居住者以外の場合 |
3,300点
|
||
(2)同一建物居住者の場合 |
1,020点
|
同一建物居住者であっても1日に2人以上診察しなければ減点対象にはなりませんが、1日に多くの患者を診察するような施設向けの訪問診療を行っている場合には、これを見る限りかなりの減収となりそうです。
これらを算定する訪問診療に関しては特に経費はかからないことが予想されるため、単純な利益減となるのではないでしょうか。
どこか他で点数を取れるところはないか、また点数が取れない場合の経費の見直し等、大幅な舵取りが必要となりそうです。
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