作成日:2013/11/27
役員給与に係る給与所得控除の見直し案が復活
11月27日付の日経新聞朝刊一面で「年収2000万円超の企業役員 所得控除を圧縮」が取り上げられ、政府与党が検討を開始したことが報道されています。
覚えのある方もいらっしゃるでしょう。
これは、民主党政権時代の平成23年度税制改正大綱に記載されたものの、未成立のまま先送りされた改正項目と酷似しています。
実は、平成23年度税制改正大綱に記載された給与や退職金については、一旦未成立となり、その後平成24年度税制改正等でほとんどが手当てされていました。しかし、今回のこの役員給与に対する給与所得控除の圧縮に係る改正についてはこれまで手当がなされず、またこれ以後の改正に関する検討事項にも記載がされていないことから、実現可能性は低いと予想されてきました。
しかし、報道を読むに、平成26年度税制改正大綱に盛り込む方針のようです。
さて、当時の案と一緒になるのかどうか。
どうなるのでしょうか。
【平成23年度税制改正大綱に記載されていた、役員給与等に係る給与所得控除の見直しの内容】
法人役員については、一般従業員に比べ、勤務態様が必ずしも従属的でないと考えられることや、給与の自己決定度合いが高いこと等を踏まえると、特に、高額な役員給与については、給与所得控除の性格のうち「他の所得との負担調整」部分が過大となっていると考えられます。
このため、役員給与に係る給与所得控除を見直し、4,000 万円超という特別に高額な役員給与については、「勤務費用の概算控除」部分である、給与所得控除額の2分の1の額を上限とします。なお、2,000 万円を超え4,000 万円までの間では、「他の所得との負担調整」部分の一部を認め、控除額の上限を4分の3とする部分も含め、調整的に徐々に控除額を縮減します。
この給与所得控除の縮減措置は、役員給与のほか、いわゆる指定職等の国家公務員等やそれと同様の職位の地方公務員等の給与にも適用されるようにします。
[具体的な改正案の内容]
その年中の給与等のうち、給与等の支払者の役員等が、当該給与等の支払者から役員等の職務に対する対価として支払を受けるもの(以下「役員給与等」といいます。)の収入金額が2,000 万円を超える場合の当該役員給与等に係る給与所得控除額については、次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額とします。
イ その年中の役員給与等の収入金額が2,000 万円を超え2,500 万円以下の場合
245 万円からその年中の役員給与等の収入金額のうち2,000 万円を超える部分の金額の12%相当額を控除した金額
ロ その年中の役員給与等の収入金額が2,500 万円を超え3,500 万円以下の場合
185 万円
ハ その年中の役員給与等の収入金額が3,500 万円を超え4,000 万円以下の場合
185 万円からその年中の役員給与等の収入金額のうち3,500 万円を超える部分の金額の12%相当額を控除した金額
ニ その年中の役員給与等の収入金額が4,000 万円を超える場合
125 万円
(注)「役員等」とは、次に掲げる者をいいます。
@ 法人税法第2条第15 号に規定する役員
A 国会議員及び地方議会議員
B 国家公務員(特別職に属する職員のうち一定の者又は一般職に属する職員のうち指定職に該当する者に限ります。)
C 地方公務員(上記Bに準ずる者に限ります。)