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作成日:2013/11/01
医療費控除の誤りやすい事例 その2



 昨日に引き続き、医療費控除の誤りやすい事例をご紹介いたします。


誤:
 支払った医療費の額を上回る補填金(A病気に係るもの)の額を他の医療費(B病気に係るもの)から差し引いた。

正:
 補填の対象となる医療費ごとに補填金の差し引き計算を行う(所法73@)。
 ※支払った医療費の額を上回る補填金が支給された場合、その上回ることとなった金額については所得税は課されないことに留意する(所法9@十七、所令30一)

(MyKomon 個人課税関係誤りやすい事例(所得税法関係)【平成24年版】より)


解説(私見):

 ここで大切な点は2つ。

 1つは、補填の対象となる医療費ごとに差し引くこと。
 もう1つは、補填の対象となる医療費を上回る補填金を受け取っても、その差額について所得税はかからない、ということです。

 たとえば、甲さんが平成25年中に次の入院費用等を支払い、保険金等を受け取った場合。
  1. 虫垂炎で入院して手術:かかった医療費15万円、補填する保険金等20万円
  2. 転倒して骨折をして入院:かかった医療費50万円、補填する保険金等40万円

 1. 15万円−20万円<0 ∴0円  
 2. 50万円−40万円=10万円

 よって、甲さんは平成25年中の医療費控除の対象額は10万円となります。

 ここで1.でかかった医療費よりも多く受け取った保険金等5万円分は、所得税がかかりません。

 また、補填する保険金等とは、民間保険会社の保険金の他、高額療養費なども含まれますが、親族その他から受取る見舞金などは含まれません。

 そして、“補填する保険金等”については、確定申告時に実際受取っていない場合であっても見込額を計算します(所基通73-10)。医療費は現実に支払った年分で確定申告の対象となりますが、補填する保険金等については現実に受け取った年分ではありません。医療費とひも付きになりますので、注意しましょう。
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