作成日:2013/10/02
30日に合意された税制改正大綱でのキーワード
9月30日に政府・与党が合意した税制改正大綱では、企業優遇が全面に出されています。
焦点の1つとみられた法人税率の引き下げについては、まず復興特別法人税を1年前倒しで廃止することで実質引き下げられることとなるとし、次に実効税率の引き下げへと検討していくようです。ただし、財務省などからは実効税率引き下げへの慎重論が根強く、すぐの実現には至らない模様です。
企業が行う投資減税に関してについては、主に次のキーワードがあります。
・賃上げ
・最先端設備投資
・研究開発
いずれもすでにある税制に関して、使いやすいように適用範囲を拡大したり、条件を緩和するなどして減税を使いやすくしてもらえるような措置が講じられる予定です。たとえば賃上げに関する減税については、現状5%UPが条件であったのがこれを時限措置として2%UPとするなどの条件緩和が想定されています。
これら投資減税は、いずれも企業側から資金が流出されることとなるため、これがデフレ脱却の糸口になるのか、今後の状況を注視しましょう。
なお、復興特別所得税については今回廃止対象となっていません。総額8.1兆円の復興財源ともいわれており、粛々と2.1%の上乗せ課税が予定通り25年間続くことになりそうです。
法人税の計算上、復興特別所得税を控除できるのは復興特別法人税からのみに限られています。復興特別法人税が廃止されるのならば、復興特別所得税を法人税本体から控除できる仕組みにしてもらいたいものです。