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作成日:2018/04/27
仮想通貨の不正送信被害に係る補償金の税務上の取扱い



 今年1月26日、仮想通貨「NEM(ネム)」がCoincheck(コインチェック)取引所から不正送金される事態が起こりました。その額は、当時のレートとして日本円で約580億円相当、と報じられています。


 この不正送金の事態を受け、コインチェック株式会社(以下、同社)は、以下の条件をもとに補償することを発表しました。

 ○不正に送金された仮想通貨NEMの保有者に対する補償について
  https://corporate.coincheck.com/2018/03/12/47.html
  1. 補償日時:2018年3月12日中
  2. 補償金額:88.549円 × 日本時間2018年1月26日 23:59:59時点での保有数
  3. 補償対象:日本時間2018年1月26日 23:59:59時点でNEMを保有していたお客様

 この補償金に対する課税関係について、同社および国税庁サイト上で公表されています。国税庁サイトでは、具体的な名称である「NEM」とは記載していないものの、4月16日付けで同社のサイト上で同様の課税関係が示されていました。ここでは国税庁サイトで確認してみましょう。

 ○No.1525 仮想通貨交換業者から仮想通貨に代えて金銭の補償を受けた場合
http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1525.htm
 
 
 “補償”とあると“非課税”と考えてしまいますが、今回の場合は雑所得に該当するとの見解です。
 今回の補償は、不正送金により失われた仮想通貨を日本円で補填した、という事実関係に基づき、仮想通貨を売却したことにより日本円を得たことと同一視されています。そのため本来、仮想通貨を売却したことに係る所得である『雑所得』に該当する、ということになります。

 実際の所得計算において、補償金全額が課税の対象となるわけではなく、その補償額から少なくとも補償対象となったNEMの取得価額を控除することとなります。仮に取得価額の方が高額であれば、雑所得はマイナスとなるわけです。

 雑所得のマイナスは雑所得内での損益通算のみとなります。給与所得など他の所得とは通算できませんので、ご注意ください。

 公に課税関係を示していますので、平成30年分の確定申告の際に課税の取扱いを誤らないよう留意しましょう。




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